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いよいよ2025年で終了!?アーガイル鉱山産産地証明書付き〝APD〟ピンクダイヤモンド

いよいよ2025年で終了!?アーガイル鉱山産産地証明書付き〝APD〟ピンクダイヤモンド

アーガイル鉱山産のピンクダイヤモンドとは、ピンクダイヤモンドの存在を世界中に認知させ惜しくも2020年に閉山を迎えた西オーストラリア〝アーガイル鉱山〟から産出するピンクダイヤモンドです。

全世界の供給量の約90%以上がこの鉱山から産出していたと言われ、その年間産出量はおよそ1,500ctとも言われています。

1,500ctと聞くと、とても多く感じますがグラムに換算すると僅か300g、1年間広大の敷地を採掘しても手のひらに収まる程しか採掘する事ができないレア中のレアな宝石種です。

詳しくはこちら

アーガイルピンクダイヤモンド

をご覧ください。

アーガイル鉱山から産出した際の流れ

アーガイル鉱山から産出した原石(ラフと呼ばれるカットなどの加工が施されていないありのままの姿の石)は、アーガイル社とパートナーシップを結んだ直接提携企業(世界に11社程)へ販売が行われます。アーガイル鉱山からの供給方法は大きく分けて二通り

美しいピンクダイヤモンド

①アーガイル鉱山産地証明書付き(※APDと呼びます)の状態で供給するパターン

②ラフ(原石)の状態で供給するパターン※原石を購入したパートナーが自社が契約するカット工場にてカットを行います。

アーガイル産のピンクダイヤモンドでも、証明書がついているものとそう出ないものが存在するのはその理由のためです。

アーガイル鉱山産の証明書が付かないものは品質が良くないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。この点は少し勘違いされやすいポイントになるのですが、証明書がついていないものでも美しい個体は多く存在します。

※そのほかにもargyle tenderテンダーと呼ばれるその年に採掘された最上級のピンクダイヤモンドは、ロットナンバーが割り振られ特別な顧客のみを招いた入札会にて販売が行われます。

APD(アーガイル鉱山産証明書)とは

アーガイル鉱山産地証明書

APDとはアーガイル鉱山産地証明書付きのピンクダイヤモンドです。アーガイル鉱山から産出した事を証明する〝アーガイル鉱山産地証明書〟とダイヤモンドのガードル(側面部)に〝ナンバー刻印〟が施されています。

APDは前述した通り、カットや証明書(鑑定書)の発行をアーガイル鉱山にて行った状態でパートナーへ向けて販売されます。

APD付きとそうでないものの決定的な差は、産地が証明できるのかそうでないのかに尽きると思います。これはブランディングの付加価値で、例えば産地が特定された牛肉と
国産牛では圧倒的に産地特定牛の方が高価であるのと同じ原理です。○○産という事でブランディングを行う事で数量を限定しその価値観を高めようとする試みだと考えます。

勿論、ブランディングの為に証明書をむやみに発行しているだけではなくアーガイル鉱山から産出した証明書付きは当然アーガイル社が検品した品質の原石グレードをクリアしたもののみをピックアップし加工している為、カット後が美しい個体へと仕上がる可能性が高いです。

カットに関しても、一般的なダイヤモンドカッターは大きさや色の濃さ(原石からいかに高く売る事ができる個体を産み出す事ができるのか)を最重視してカットを施す一方、APD付きの個体は一貫してカットの美しさを追求したカットを行っています。

この点で、通常ならば原石からピンクダイヤモンドを削り出して3割程(例えば1ctの原石からカットを行った場合0.3ct)残す所を、カットの美しさを重視したアーガイル社の場合歩留まり率10%台(1ctの原石からカットを行なった場合0.1ct台)となる事もあると言われています。

実際に店舗で購入する際にも言える事ではありますが、必ずデイライトで本来の色をしっかり把握するようにしてください。オンラインの場合は販売店舗へ確認をすることをお勧めします。
この部分などがアーガイル社の徹底した品質に対する拘りと企業努力とも言えるのではないでしょうか。

何故アーガイル鉱山から産出した原石は全てアーガイル鉱山でカットしないのか?

美しいピンクダイヤモンド

アーガイル鉱山で産出した石は何故全てアーガイル鉱山でカットしないのでしょうか?

アーガイル鉱山から産出したラフ(原石)は異常な圧力がかかり結晶化したもの。
通常ダイヤモンドは劈開と呼ばれる性質(ダイヤモンドの弱点)を利用してカットを行なっていきますが、それは綺麗な形をした正八面体などの美しい原石の話で、異常な圧力が加わり結晶化したアーガイルピンクの場合劈開方向が定まらずカットを行うのにかなり重労働だったと聞いています。

それに加え通常よりも炭素同士の結合が強く原石が硬いため、ダイヤモンドカッター泣かせの超問題児。
1978年見つかった当初はベルギーンのアントワープではコストに見合わずカットする事ができなかったそうです。

その後インドで安い賃金でカットを行う事ができるようになりピンクダイヤモンドは普及していきました。要するにカットを行う為の人的リソースの問題であったのでしょう。

もう一点はブランディング・マーケティングのためだと考えられます。

アーガイルピンクダイヤモンドとしての認知度を上げ、ブランド価値を上昇させるために限定した数だけ自社内で加工を行い流通させることでAPDの認知度は急激に広まり、今や世界的ブランドの仲間入りを果たしました。

APDの歴史について

APDは2005年の1月から開始されました。

1978年にピンクダイヤモンドが見つかって以降、2004年まではAPDが発行されずナンバーが刻印されていない状態でした。

2005年の1月現在は0.2ct以上のピンクダイヤモンドに対してサービスがスタートします。
※この時点ではパートナー、エンドユーザーにあまりAPDの価値が理解されておらず、証明書を紛失したり受け取らなかったり。中には捨てられたりしていたものもありました。今となっては信じられない話ですね。

通常、鉱山が閉山したならば供給はストップして新たなピンクダイヤモンドは手に入らなくなると思いがちですが、現在もAPD付きのピンクダイヤモンドの供給は続いています。※全盛期の数十分の一程度で、パートナー全てが新たな供給を受けているわけではないようです。
数はかなり減ってはいますが現在も供給が続いているその理由は、まだラフ(原石)がアーガイル社に残っているからです。物理的に考えても供給はいつかは終わりを迎える事になるのですが、現在もまだ原石(ラフ)が残っています。
そのラフを少しずつカットしているとアーガイル公式パートナー企業の担当者は話していました。

そして、ラフがアーガイル社内に残っている理由はコロナウィルスの影響でロックダウンしていた時にカットする事ができなかったラフであるとも話していたので、そのラフが尽きた時いよいよ供給が完全に停止するのだと思われます。そのタイミングこそがアーガイルピンクAPDのだい二章の幕上けとなるのではないでしょうか。

APDの最後はいつ?

アーガイル社の公式パートナー曰く、APDの供給の最後は2025年ではないかと話していました。

いつか終わりが来ることは当然想定していたものの、供給がストップしてアーガイルピンクが手の届かない存在になってしまうかもしれないと思うと少し寂しい気持ちにもなります。

これからもアーガイル鉱山情報などあれば記事にてご紹介させていただきたいと思います。

SHINKでは2024年最新のアーガイルピンクをご紹介しています!
ご興味あればぜひ一度ご覧いただければ幸いです。

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筆者:ZERO GRAVITY株式会社 代表取締役 今井健詞

ZERO GRAVITY株式会社
代表取締役, Buyer
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